2024/05/19(日) スーパービジョン入門講座第1回 ~スーパービジョンをもっと身近に-スーパービジョン、さあ行こう!~
日時
2024年5月19日(日)
10:00~16:00(途中昼休憩1時間を含む)
講師
三川 俊樹
追手門学院大学心理学部教授
日本キャリア・カウンセリング学会認定スーパーバイザー/スーパービジョンメンタ
場所
オンライン研修(ZOOM)
※URLは、参加者に研修日の数日前までに別途お知らせいたします。
参加費
本学会会員 :6,000円
一般(非会員):8,000円
※領収書につきましてはPeatixの領収データーをご利用下さい。
※キャンセル時の参加費の払い戻しは、Peatixの返金規約にもとづきます。
定員
40名(満席になった時点で、応募締め切りとなります)
各種団体のポイントについて
臨床心理士・キャリアコンサルタントの更新ポイントは付与されません。
申込方法
下記のURLからお申し込みください。(Peatixのページにリンクしています。)
https://jaccws-240519.peatix.com/
講座内容について
カウンセリングの力量や資質の向上のために、スーパービジョンは最も重要な役割を果たしています。
日本キャリア・カウンセリング学会では、カウンセリングの基礎訓練の過程で必要となる特定の学派や理論に拠らないスーパービジョン、すなわち「汎用性のある」スーパービジョン・モデルを構築し、この基礎的で汎用性のあるスーパービジョンが提供できるスーパーバイザーの養成訓練と、スーパービジョンの指導者(スーパービジョン・メンター)の養成訓練について、2009年2月から継続的な取り組みを重ねてきました。
しかしながら、スーパービジョンが効果的に活用されていない状況が続いており、独立行政法人労働政策研究・研修機構(2023)による「第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」によれば、「キャリアコンサルタントとしての自身の能力の維持・向上のために実施していること」について、「キャリアコンサルティングに関するスーパーバイザーによる助言・指導を受ける」と回答した人は13.3%であり、1 級・2 級キャリアコンサルティング技能士資格保有者でも、「スーパーバイザーによる助言・指導を受ける」を選択した割合は25.8%であったことが指摘されています。
また、スーパービジョンをめぐってさまざまな誤解や混乱が生じていることも事実です。
例えば、「スーパービジョンの意義・目的・方法がわからない」という疑問や、「スーパービジョンに抵抗がある」という意見のほか、これまでに指導を受けた経験の中で「指導者が一方的に意見を述べ立て、自分の考えや意見を聴いてもらえるような雰囲気ではなかった」とか、「指導者に見立てや手だての不備・不手際をあれこれと指摘され、追い詰められた感じがした」という印象を持った人もあるなど、残念な状況がみられます。
日本キャリア・カウンセリング学会では、スーパービジョンとは、カウンセリングの能力やスキルを発達させるとともに、これまで依存的に受けてきた指導や助言から脱却して、自らのカウンセラーとしての課題を適切に自己評価し、その課題に主体的に取り組み、解決できるようになること、すなわちカウンセラーの自律を促すために不可欠な活動であるという認識に立っています。
このような「基礎的で汎用的のあるスーパービジョン」の理解と実践に向けて、2024年度の「スーパービジョン入門講座」も、昨年度に続いて3回のシリーズで構成することにしました。
第1回(5月19日・日曜日)は、「スーパービジョンをもっと身近に-スーパービジョン、さあ行こう!」と題して、スーパービジョンをもっと身近に感じていただき、スーパービジョンを積極的に活用していただけるように、スーパービジョンの定義、スーパービジョンの本質と構造、スーパービジョンと事例検討やケースカンファレンスとの異同、スーパービジョンと事例指導やコンサルテーションとの違いについて解説します。また、「受けたくない指導」と「受けたいスーパービジョン」の違い、「スーパービジョンまがい」の指導の実態のほか、「対話のパターン」というコミュニケーション・スキルを自己点検するための基礎的なワークショップを活用して、カウンセラー自身が自らの課題に気づくことの意味についてお伝えします。
第2回(9月8日〔日〕開催予定)では、「スーパービジョンでは何を取り上げ、どのように援助するのか?」をテーマに、スーパーバイジーの課題とスーパーバイザーの機能について、第1回で活用した「対話のパターン」と、新たに紹介する「連続的ロールプレイ」による体験的学習を通して、自らのコミュニケーション・スキルを振り返り、その課題に気づくことを目指します。その上で、スーパービジョンの視点を持った「立体的ロールプレイ」を活用して自らの課題に取り組み、その振り返りを通してスーパービジョンの意義や効果を確認します。
第3回(12月1日〔日〕開催予定)では、「効果的なスーパービジョンができるスーパーバイザーになるために」というテーマのもとに、日本キャリア・カウンセリング学会が2009年から取り組んできたスーパーバイザー養成訓練の課程とその方法について紹介します。
また、Holloway(1995)が提案したSASモデル(Systems Approach to Supervision)における「スーパーバイジーの課題」と「スーパーバイザーの機能」を解説した後に、実際のスーパービジョンのすすめ方について、ロールプレイを通して体験的に学習します。そして、そのスーパービジョン体験の「振り返り」(リフレクション)に基づいて、スーパーバイザーが陥りやすい問題点や課題に目を向け、スーパービジョンを自己評価する視点について学びます。
このように、第1回が「スーパービジョンを知る」、第2回が「スーパービジョンを受ける」、第3回が「スーパービジョンを実践する」というテーマを中心に体系的に構成された入門講座ですので、できれば3回の講座を連続して受講されることをお勧めしますが、第2回以降から参加される場合にも、それまでの講義の「要約」と実習の「振り返り」を基礎にして研修をすすめますので、安心して受講してください。