2024/02/18(日) フォーカシング入門

日時

2024年2月18日(日)13:00 ~ 17:00
オンライン研修(zoom)※URLは、参加者に研修日の前日までにお知らせいたします。

テーマ

フォーカシング入門
堀尾 直美(フォーカシング・ネットワーク代表)
国際フォーカシング研究所認定フォーカシング・ トレーナー兼コーディネーター、公認心理師、臨床心理士

参加費

一般(非会員):8,500円
本学会会員  :5,500円

定 員

35名(満席になった時点で、応募締め切りとなります)
※臨床心理士・キャリアコンサルタントの更新ポイントは付与されません。

申込方法

Peatix(チケット購入サイト)からお申込みください。

講師から

キャリア支援やカウンセリングをしていてこんなことが起きていないでしょうか?
問題解決しようと助言をしても、クライアントになかなか通じない、頭では分かるけど…と言われてしまう。
関係を築こうと傾聴しても、不全感が残る。
共感が大事というが、果たしてほんとうにできているか自信がない。

認知レベルのみに焦点を当てた聞き方だけで、これらを解消するのは難しいでしょう。
クライアントの問題や困りごとに合った支援には、体験レベルの関わりが必要だからです。

この体験レベルの関わりをしていくのに役立つのが、フォーカシングの学びです。
フォーカシングは、心理療法の効果研究に基づき、人が体験を言葉にしていくことで変化していくプロセスとして見出されました。
これは、考えや感情をただ話すことではありませんし、ただ感じることでもありません。一言で言うと、人が自分の気持ちを聴いていく、自分の心やからだの声に耳を傾けるプロセスです。
特徴は、3つあります。第一に、安全・安心感を大事にします。他にはなかなかない特徴として、2つ目、事柄や状況を話さなくてもできます。また、3つ目として、変化は実際の体感を伴って起きます。

どのような段階を辿るのか、簡単に説明します。ある状況や事柄を思い浮かべて自分自身にやわらかでマインドフルな関心を向けます。起きてくる意味感覚(フェルトセンス)に留まり、そこから生じてくる言葉と感覚を丁寧につき合わせます。その言葉でいいか、充分言い表せているかどうかは、しっくりくるかどうかで分かります。自分の実感におだやかに触れ、そこから誠実に言葉にしていくことで、気づきや納得感、一致感などに至ります。自己共感、自己理解、自己受容のプロセスともいえます。クライアントのこのプロセスに沿うことで、「今ここ」のクライアントに合った支援をすることが可能になります。

ですから、フォーカシングを知って、共感的理解や一致、無条件に肯定的な眼差しを向けるというのはどうすればいいのか具体的に分かったとおっしゃる方が少なくないです。フォーカシングを学ぶことで、何に耳を澄ましどこに応答すればいいのかが分かったという感想や、聴き手が持つ影響力の大きさを実感したという感想も多いです。それらに加え、自分を大事にするにはどうしたらいいか分かった、自分とつながっているという感覚を持てるようになったとおっしゃる方もおられます。ちなみに、私(講師)はこれらすべてをフォーカシングを通して体験的に学び獲得しました。

今回は、レクチャーと実習、デモンストレーションを通して、フォーカシングがどのようなものか知っていただく内容です。
はじめに、フォーカシング・プロセスやその発見の源、体験過程尺度について概説します。フォーカシングする時に必要な態度についてお話しし、フェルトセンスを体験する実習を行います。やり方の説明と、ほどよい体験的距離についても解説します。そして、フォーカシングのデモンストレーションを見ていただきます。まとめとして、共感のプロセスについてお話しし、傾聴とのつながりを解説します。
これらを通して関心をお持ちになった方が、実際にフォーカシングを体験したり詳しく学んだりできるよう、そのような場のリストをおしまいに提示します。

もし、ご自身の実践をより実のあるものにしたい、傾聴を洗練させたい、思考だけではなく体験レベルの関わりがどのようなものか知りたいとお思いでしたら、どうぞご検討ください。ご参加をお待ちしております。

講師プロフィール

国際フォーカシング研究所認定フォーカシング・ トレーナー兼コーディネーター、公認心理師、臨床心理士

大学院相談室助手、学生相談室、精神保健福祉センター電話相談、 精神科デイケア、自治体子育て支援、看護学校・ 大学院非常勤講師などを経て、現在、フォーカシング・ ネットワーク代表トレーナー

1996年(株)日本・精神技術研究所で村瀬孝雄氏、 日笠摩子氏、近田輝行氏、宮川照子氏からフォーカシングを学ぶ。 以降、国内外の多数のワークショップ等に参加、また、 自身も国内外講師を招いた企画運営を行うと共に、 自らも講師を務める。
2010年度~2015年度日本フォーカシング協会事務局長、 2016年度~2018年度会長。
現在は、 トレーナー仲間とフォーカシングを学ぶコースや個人セッションを 提供している(focusing-network.org)。 各種団体や大学院などで、 体験的傾聴やPCAGIP法の講師も務めている。

共編著『フォーカシングはみんなのもの: コミュニティが元気になる31の方法』(創元社、2013)
共著『心理療法統合ハンドブック』(誠信書房、2021)、『 私とパーソンセンタード・アプローチ』(新曜社、2019)、『 ワークで学ぶ学校カウンセリング』(ナカニシヤ出版、2019)
分担執筆『人間性心理学ハンドブック』(創元社、2012)
共訳『フォーカシングの心得: 内なる知恵の発見法』(創元社,2016)、『「 グロリアと三人のセラピスト」とともに生きて: 娘による追想』(コスモス・ライブラリー、2013)、『 解決指向フォーカシング療法: 深いセラピーを短く・短いセラピーを深く』(金剛出版、 2009)